保護猫の飼い方を知りたい人「保護猫を飼ってみたい。でも猫を飼うのが初めてでわからないことだらけ…。保護猫の飼い方をゼロから教えてください。」
こういった疑問に答えます。
本記事の内容
- 保護猫の飼い方
本記事を書いてる私は、保護猫2匹と暮らして9年ほど。
保護猫と暮らす日常は、こちらのTwitterにて紹介しています。
本記事ではそんな私が実経験をもとにして、保護猫の飼い方を初心者向けにわかりやすく解説しました。
記事の分量はやや長めですが、保護猫を飼いたい方はぜひ最後までご覧ください。保護猫の選び方や必需品が理解できるはずです。
目次
保護猫を初めて飼う前の注意点とは?
まず保護猫を飼う前の注意点からお伝えします。
保護猫とは?
保護猫とは、なんらかの理由で保護施設に預けられた猫を指します。
例えば飼い主に捨てられたり迷子になったりで、保護された猫たちです。
年齢は生まれたばかりの猫から高齢の猫までさまざま。種類としては雑種の猫が多く、ペットショップで見かけるような純血種はまずいません。
» 参考:猫の入手方法は里親がおすすめ|ペットショップとの違いを3つ紹介
保護猫を飼うための注意点6つ
保護猫を飼うというのは「命を預かる」ということであり、責任と覚悟が必要です。
そこをご理解頂いたうえで、初めて猫を飼う方にお伝えしたい注意点は以下のとおり。
- 寿命の問題
- 費用の問題
- トイレの世話
- 抜け毛の問題
- 爪とぎの問題
- 動物病院の有無
順に解説します。
注意点1:寿命の問題
室内で暮らす猫の寿命は平均で15年、長くても20年です。人間に比べると寿命が短いことを理解しておきましょう。
注意点2:費用の問題
ペットショップでの購入に比べると、初期費用は高くありません。譲渡代として支払う費用は3万円ほど。しかしその後は、年間で約16万円ほどかかります(アニコム調査2019の平均値)。この費用は大丈夫でしょうか?
注意点3:トイレの世話
トイレの世話は大変です。どんなにかわいい猫だって、オシッコやウンチは人間と同じく臭いですから。生き物を飼った経験の無い方はご注意ください。
注意点4:抜け毛の問題
特に毛の量が多い猫だと、ソファやじゅうたん、フローリングに毛が散乱します。猫を抱っこすれば服も毛だらけです。きれい好きな方は大変だと思います。
注意点5:爪とぎの問題
猫の爪とぎは正常行動で、やめさせることはできません。爪とぎ予防のシートを貼ったりするのにも限界はあります。家具が傷づくのはイヤって方はよくよく考えましょう。
注意点6:動物病院の有無
家を留守にするなら1日ぐらいが限界。それより長くなるなら、動物病院(やペットホテル)に預けないと厳しいと思います。
ですので、遠くない場所に動物病院があるか、保護猫を飼う前に確認しましょう。ケガをしたときや定期検診でも必要ですから。
なお、留守時に猫のお世話をしてくれるサービスとして「ペットシッター」があります。もしお近くにあるなら、動物病院に預けるかわりに、ペットシッターにお願いするのもあり。
ペットシッターのおすすめは「オリーブシッター」。東京/神奈川/千葉/大阪/札幌にお住まいの方は、以下の記事をぜひご覧ください。
» 留守時の猫のお世話はオリーブシッターがおすすめ【家事代行もOK】
以上が、初めて猫を飼う方にお伝えしたい注意点です。保護猫を飼ってから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないよう、じっくり考えてみてください。
よく考えた上で問題ないという方は、保護猫を選ぶステップに移りましょう。
保護施設や里親会で保護猫を選ぶ
ここからは、保護猫を選んで決めるまでの手順を紹介します。
手順1:保護猫に出会う場を探す
保護猫を飼うといっても、そもそもどこで出会えるのでしょうか? 代表的なのは以下の3つです。
- 保護施設に直接足をはこぶ
- 保護施設が開催する里親会
- 里親募集型の猫カフェに行く
補足しましょう。
保護施設とは?
保護施設とは、動物愛護団体などを指します。ゲージの中で猫を飼ってるのが一般的。ネットで調べるなら、[動物愛護]
[保護猫]
[里親 猫]
[譲渡 猫]
で検索してみてください。
ちなみにわが家の場合、2匹とも神奈川県動物愛護協会で保護猫を譲り受けました。1匹目は直接協会に行き、2匹目はその協会が開催する里親会にて選びました。
里親募集型の猫カフェとは?
里親会とカフェを組み合わせたスタイル。室内で暮らす姿をイメージしやすいことと、気楽に足を運べることがメリットです。ネットで調べるなら、[保護猫カフェ]
[里親カフェ]
で検索してみましょう。
その他には、動物病院で保護猫を紹介するケースもあったりします。
手順2:保護猫に出会って選ぶ
実際に保護猫に出会ったら、ルックスはもちろん以下の点も確認しましょう。
- 年齢
- 性別
- 種類
- 健康状態
もし気になる保護猫がいたら、スタッフにどんどん聞いてみてください。プラスアルファの情報を聞けて、それが猫選びの決め手になったりしますから。
何度か足を運ぶうちに、いつかお気に入りの保護猫に出会えるでしょう。それは1回目かもしれないし、10回目かもしれません。こればっかりはめぐり合わせですから、焦らず気長にいきましょう。
ちなみに、わが家の保護猫は、キジトラと茶白です。もし興味あれば以下の記事を参考にどうぞ。
» キジトラ猫の性格・特徴とは?|わが家のキジトラ猫もご紹介
» 茶トラ白(茶白)猫の性格とは、温厚で人なつっこい愛されキャラ。
手順3:保護猫を決める
もし気にいった保護猫と出会えたら、相手方に申し出ましょう。すると譲渡可否の審査が行われます。
具体的には、家族構成や居住環境、猫の飼育経験など、あなたが譲渡先としてふさわしいかをチェックされます。
居住環境だと完全室内飼育が絶対条件です。ペットOKのマンションでも自己申告ではなく証明書が必要かもしれません。
また2週間ほどのトライアルが必須のこともありますので、相手側が設ける審査基準をご確認ください。ペットショップに比べると少し厳しいですが、保護猫の幸せを願う相手方の立場になれば当然といえるでしょう。
審査条件に合格したら、里親誓約書などにサインをして、譲渡が正式に決定します。
手順4:保護猫の譲渡費を支払う
譲渡が決まったら、譲渡費の支払いです。
猫自体の費用はかかりませんが、保護されている間に受けたワクチンや検査、去勢・不妊手術などの費用の一部を、譲渡費(寄付金)として払うのがほとんどです。
譲渡費は保護団体によってまちまちですが、1万円〜5万円が大半だと思います。ちなみに私は1万円を支払いました。
手順5:保護猫の譲渡日を決める
最後に譲渡日の相談です。ワクチン摂取や寄生虫の駆除、去勢・不妊手術をこれから行う場合は、数日後の譲渡になります。
待ち遠しいと思いますが、その日に備えて、保護猫を迎え入れる準備を整えておきましょう。
保護猫を飼う準備をする(必需品5つ)
ここからは、保護猫を飼う準備について解説します。まず優先的に準備すべき必需品は以下の5つ。
- キャリーバッグ
- キャットフード
- トイレとシート
- 爪とぎグッズ
- 首輪
順に見ていきましょう。
必需品1:キャリーバッグの準備
まずはキャリーバッグを準備しましょう。保護猫を家まで運ぶときに使うからです。相手方が直接あなたの自宅まで保護猫を送りとどけてくれる場合もありますが、いずれ必要です。
病気やケガをして動物病院に連れていくときにはキャリーバッグを使うので、最優先で準備しましょう。
わが家で使ってる以下のキャリーバッグは、ダブルドアで猫の出し入れがしやすいのでおすすめです。1匹目を迎え入れるときは子猫だったのでSサイズを、体が大きくなった頃にはMサイズを購入しました。
必需品2:キャットフードの準備
キャットフードは、総合栄養食のドライタイプを選びましょう。避妊・去勢手術した保護猫は太りやすいので、カロリーオーバーには気をつけましょう。
わが家で愛用しているキャットフードの『ピュリナワン』は、栄養バランスが良く低カロリーなのでおすすめです。
» ピュリナ ワン キャットフード 健康マルチケア(Amazonへのリンク)
わが家では上記をメインとして、小魚や削り節、チュールなどをあげてます。詳しくは、わが家の猫にあげてるご飯(キャットフード)をご紹介。で紹介してますので、そちらも参考にどうぞ。
キャットフードや水を入れる食器もご用意ください。
まずは100均で準備するとかでも充分ですが、私のおすすめは、『猫壱』が販売する食器です。以下の記事をご覧ください。
» 【レビュー】猫壱でおすすめの商品を紹介(バリバリボウルや食器)
必需品3:トイレの準備
キャットフードの次は、トイレの準備です。トイレ本体は以下の3タイプがあります。
- 上から入るタイプ
- 屋根つきタイプ
- 屋根なしタイプ
「猫にどれがいい?」と聞くわけにもいかないので、エイヤで決めるしかありません。
ちなみにわが家では、「屋根つきタイプ」をずっと使ってます。一番スタンダードだし、猫も安心して排出できる(ような気がする)からです。もし迷うようなら最初は屋根つきをおすすめします。以下の真ん中のがそれです。
トイレシートまたは猫砂
トイレにはトイレシートか猫砂を敷きます。目的はオシッコを吸収するため。猫砂だと消臭効果も期待できます。
どちらでもよいですが、わが家ではトイレシートを使ってます。猫砂だと猫が食べたりトイレまわりが散らかったりしたからです。このあたりは、猫のトイレは「猫砂」と「シート」どっちがいいの?で紹介してますので参考にどうぞ。
ちなみにわが家で使ってるトイレシートはこちら。1枚あたり約6円とコスパが最高です。
必需品4:爪とぎグッズの準備
爪とぎをさせるグッズと、爪とぎを予防するグッズの両方を準備しましょう。
爪とぎをさせるグッズ
猫が使ってくれるかどうかは運しだいなので、「一応」準備するって感じでよいかと。いろんな商品がありますが、もし迷うならまずは以下あたりをどうぞ。
私のおすすめは、『猫壱』が販売するバリバリシリーズ。くつろぎスペースと爪とぎが兼用ですから。詳しくは以下をご覧ください。
» 【レビュー】猫壱でおすすめの商品を紹介(バリバリボウルや食器)
爪とぎを防ぐグッズ
ここには爪とぎしてもらっちゃ困るという場所には、爪とぎ防止のシートを貼りましょう。以下のシートなら、半透明で目立たないし、使用後にはがせるので便利です。
参考:わが家はどうか?
うちの保護猫は、爪とぎ用のグッズはあまり使ってくれず、もっぱらソファでガリガリ。当初は毛布を巻いてブロックしてましたが、途中からあきらめました↓
わが家の猫ちゃんの爪とぎは、もっぱらこのソファ。途中からあきらめてノーガード。やりたいだけやらせてます。(^_^;) pic.twitter.com/eQbzChfLg1
— ヒデハル@猫好き (@hideharucat) May 27, 2020
そのかわり、壁には全く爪とぎしなかったので防止シートは不要でした(^^)/
必需品5:首輪の準備
猫を飼うなら首輪を準備しましょう。万が一猫が室外に逃げ出したときに保護してもらえる可能性が高くなるから。家の連絡先も忘れずに記しておいてください。
猫目線にたち、おしゃれ重視ではなく、つけ心地のよさそうなものを選ぶことをおすすめします。ちなみにわが家では以下のようなシンプルなタイプで、鈴は外して使っています。一定の力で外れるので安全面もバッチリ。
補足:室内の安全確認をすべし
必需品ではありませんが、保護猫を迎える準備として室内の安全確認をやっておきましょう。
高さ対策
猫は高いところが大好きで、跳躍力もハンパありません。飼い主が想像だにしないところに飛び乗ったりします。例えば冷蔵庫やクーラー、そしてカーテンレールの上まで。
また高いところに飛び乗ったときに、モノが倒れてケガする危険もあります。よって、猫が飛び乗って屋外に出そうなところがないか、あるいは転倒しそうなところがないかをしっかりチェックしてください。
狭いところ対策
猫は高いところと同じくらい狭いところが好き。そういったところに危険がひそんでないかを確認しましょう。
誤飲対策
猫がうっかり口にしてしまうような小さなモノがないか確認しましょう。これなんか人間の赤ちゃん対策と同じですが、猫の場合は高いところにも小物がないかケアが必要です。
以上、保護猫を飼う準備として必需品5つ(+安全確認)を紹介しました。
保護猫を飼う準備をする(便利な4つ)
ここまで準備できれば、ひとまず安心です。ただもし当日までにまだ日にちがあるなら、次のステップとして以下を準備しておくと万全かと思います。
- ブラシを準備する
- おもちゃを準備する
- 猫用ベッドを準備する
- キャットタワーを準備する
順に見ていきましょう。
あると便利1:ブラシの準備
ブラッシング用にブラシを準備しましょう。
猫は毛づくろいによっておなかに毛がたまります。おなかの毛の量が増えすぎると発病のおそれもありますから、ブラッシングして毛をすいてあげましょう。
ブラシは100均で売ってるヘアブラシで充分です。ただ、毛の量が多い猫にはブラッシング専用がおすすめ。わが家では、保護猫2匹のうち毛の量が多い方には以下の『ファーミネーター』を併用してます。
ヘアブラシに比べ、軽い力で毛がごっそり抜けるので楽ちんです↓
毛の量が多いアンちゃん、そして毛の生えかわりの季節ゆえに、こんなにごっそり毛が取れました。アンちゃんの分身が誕生しそうです(笑) ちなみに、このブラシ『ファーミネーター Sサイズ』は、楽に毛がとれるのでおすすめ✨ 楽天でも購入できます → https://t.co/5pa7O3sxaC pic.twitter.com/imY0ZVBDqE
— アンちゃん&マロくん (@hideharucat) May 17, 2021
あると便利2:おもちゃの準備
おもちゃも準備してあげるといいですね。
とくに子猫だと遊びたいざかりなので、おもちゃを使ってたくさん遊んであげましょう。
代表的なのは猫じゃらしやぬいぐるみ。ただし猫が気にいるかどうかはわかりませんのであしからず。もし迷うならまずは以下あたりからどうぞ。
あると便利4:猫用ベッドの準備
猫用にベッドを用意してあげましょう。
候補としてはフカフカのクッションかダンボール素材か。ただせっかく用意しても見向きもされない可能性もあるので、あまり期待しすぎない方がいいです笑。
もし迷うなら今わが家で使ってるダンボール素材はどうでしょうか?割と人気な商品です。
ちなみにわが家は保護猫が2匹ですので、タワータイプを使ってます↓
今日も のんびりいけばいいニャ~🐾 pic.twitter.com/UfY6KR32Og
— アンちゃん&マロくん (@hideharucat) June 24, 2021
上記の商品は、以下の記事で詳しく紹介してます。
» 【レビュー】猫壱でおすすめの商品を紹介(バリバリボウルや食器)
あると便利4:キャットタワーの準備
キャットタワーの購入するのもいいですね。猫は高いところに登るのが好きですから。
ただしキャットタワーって、室内のスペースをとるのに猫が全く使ってくれない可能性もあります。実際わが家でもほとんど使ってくれませんでした…。
よってスペースに余裕があるならキャットタワーを準備するのもあり。ホントにピンきりですが、迷うなら以下あたりがベーシックでいいんじゃないでしょうか。
参考:猫にとって快適な空間づくり
保護猫を迎える準備として、あると便利なモノを4つ紹介しました。
上記以外だと、室温を適切に保ったり日当たりをよくしたり。グッズというより環境づくりですね。そのあたりは以下の記事が参考になると思います。
» 猫が快適に暮らせる家とは【猫がよろこぶ空間の作り方7つ】
保護猫を初めて自宅に迎え入れる
保護猫を迎えるための準備は終わったでしょうか?
であれば、あとはそのときを待つだけ。そう、いよいよ保護猫をあなたの家に迎え入れる日です。
当日、相手方があなたの家に保護猫を届けてくれるケースもあれば、あなた自身が連れて帰るケースもあるでしょう。
なかにはいきなり遊び始める猫もいるでしょうけど、ビクビクする猫の方が多いかと思います。だって猫にとっては初めての環境ですからムリもありません。
あなたも不安になるでしょうが、適度にキョリをとってあたたかく見守ってあげることです。今では女王様のようにふるまうわが家の保護猫も、初日のおびえ方は相当なものでしたよ。
そして頃合いをみて、準備したキャットフードをあげてください。
数日、もしくは数週間もすれば猫も新しい環境に慣れてくるかと思います。そうすれば、あなたに甘えたり、くつろいだ姿を見せたりするようになるでしょう。
保護猫とのステキな毎日の始まりです。
まとめ
保護猫の飼い方を紹介しました。
飼う前の注意点に始まって、保護猫の選び方や準備するものまで、実体験にもとづいて説明しました。
繰り返しですけど、保護猫を飼うとは命を預かることであり、その責任は重大です。もしその覚悟があおりなら、本記事を参考に保護猫を飼う準備を進めてみてください。
保護猫を育てるのは簡単ではありませんが、充分すぎるほどのやすらぎと幸せをもらうことができます。あなたにもそのようなステキな猫ライフが訪れることを心から願っています。
尚、わが家の保護猫たちの様子はツイッター(@hideharucat)に毎日アップしていますので、フォローしていただけると嬉しいです。
今回は以上です。